カタカナ英語が通じない理由|和製英語との違いと一覧

省略発音違い・使い分け

カタカナ英語が通じない理由は、大きく2つに分かれます。ひとつは発音のズレ——単語自体は英語なのに、音が違いすぎて伝わらないもの(ウイルス、アレルギー、テーマ)。もうひとつはそもそも英語ではない和製英語——マンション、コンセント、サラリーマンのように、英語に存在しないか別の意味を持つものです。

この2つは原因も対処法もまったく違います。この記事では両方を一覧表で分けて整理し、あわせてカタカナで覚えることがリスニングを妨げる仕組みまで解説します。

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カタカナ英語が通じない3つの原因

原因 何が起きているか
母音が増える 日本語は子音だけで音を作れないため、子音のあとに母音を足してしまう strike → スク(6音節)/英語は1音節
アクセント位置が違う 日本語は音の高低、英語は強弱。強く読む位置がずれると別の語に聞こえる ル → ウテル
日本語にない音を代用 /θ/ /ð/ /r/ /l/ /f/ /v/ をサ行・ラ行・ハ行・バ行で置き換えている think → シンク(sink と同じ音になる)

特に「母音が増える」問題は深刻です。英語の strike は1音節ですが、カタカナの「ストライク」は5音節。音の数が5倍になっているため、ネイティブには別の単語のように聞こえます。

発音がズレているカタカナ英語【一覧】

単語は正しい英語ですが、カタカナ表記と実際の発音が大きく違うものです。

カタカナ 英語 ネイティブ発音の目安 ズレの原因
ウイルス virus ヴァイラス ラテン語読みの名残
アレルギー allergy アラジー ドイツ語由来
エネルギー energy エナジー ドイツ語由来
ワクチン vaccine ヴァクシーン ドイツ語由来
ビタミン vitamin ヴァイタミン 米語は vai-
テーマ theme スィーム ドイツ語由来
イメージ image イミジ アクセントが前
ラベル label レイボー a が長音
モデル model マドー o が /ɑ/
コーヒー coffee カーフィ o が /ɔː/
カレンダー calendar キャレンダー a が /æ/
ボタン button バトゥン u が /ʌ/
アルコール alcohol アルコホール h を発音する
チョコレート chocolate チョクリッ 母音が脱落
ウーマン woman ウマン o が /ʊ/
サラダ salad サラッド アクセントが前

そもそも英語ではない【和製英語 一覧】

発音を直しても通じません。語そのものを別の英語に置き換える必要があります。

意味がまったく違うもの

和製英語 正しい英語 その英単語の本当の意味
マンション apartment / condo mansion = 大邸宅
ナイーブ sensitive naive = 世間知らず(否定的)
クレーム complaint claim = 主張する
スマート slim smart = 頭がいい
ハイテンション excited / hyper tension = 緊張・張力
マイペース at one’s own pace 形容詞としては存在しない
ユニーク funny / quirky unique = 唯一の(面白いの意味はない)
ハーフ mixed / biracial half = 半分(人に使うと失礼)

英語に存在しないもの

和製英語 正しい英語
コンセント outlet / socket
サラリーマン office worker
ノートパソコン laptop
クーラー air conditioner
ホッチキス stapler
シャープペンシル mechanical pencil
ガソリンスタンド gas station
ベビーカー stroller
フライドポテト french fries
ピアス earrings
ワイシャツ dress shirt
パーカー hoodie
ジェットコースター roller coaster
ペットボトル plastic bottle
リフォーム renovation
ドライヤー hair dryer

カタカナで覚えるとリスニングが伸びない理由

ここが本題です。カタカナ英語の本当の問題は「通じないこと」ではなく、「聞き取れなくなること」です。

耳は、覚えた音を探します。「ウォーター」と覚えていれば、耳は「ウォーター」を探します。しかし実際に流れてくるのは「ワーラー」。音が違うので、知っている単語なのに認識できません。

カタカナで覚えた音 実際に聞こえる音 結果
ウォーター ワーラー water だと気づけない
ゲット イット ゲリッ get it だと気づけない
ワット アー ユー ワッチュ what are you だと気づけない
ゴーイング トゥ ガナ going to だと気づけない
ディド ユー ディジュー did you だと気づけない
アバウト ゥバウト about だと気づけない

単語も文法も知っているのに聞き取れない。その原因の多くは、この「覚えた音」と「実際の音」のズレです。語彙を増やしても解決しないのは、増やした語彙もまたカタカナで覚えているからです。

カタカナで表せない音がある

そもそもカタカナには、英語の音を書き分ける能力がありません。

カタカナ 区別できていない英語の音
/r/ と /l/ right ⇔ light
シ/ス /θ/ と /s/ think ⇔ sink
/ð/ と /z/ they ⇔ zay
/b/ と /v/ berry ⇔ very
ハ/フ /h/ と /f/ hat ⇔ fat
/æ/ /ʌ/ /ɑ/ /ə/(4種類) cat ⇔ cut ⇔ cot ⇔ about

英語の母音は約20あるのに、カタカナは5つしかありません。この時点で情報が大量に失われます。とくに /ə/(あいまい母音)はカタカナに存在しないため、about の「ゥ」を表現できず「アバウト」と書くしかありません。

カタカナ英語から抜け出す手順

順番 やること ねらい
1 カタカナで覚えている単語を、音で覚え直す 「ウォーター」ではなく実音を記憶する
2 音声変化(連結・脱落・弱形)を知る なぜ音が変わるかを理解する
3 聞いた音をそのまま真似て声に出す 自分で出せる音は聞き取れるようになる
4 和製英語だけは語彙として置き換える 発音では解決しない問題を切り分ける

注意すべきは、1〜3と4がまったく別の作業だということです。「マンション」は発音を直しても通じません(語が違う)。逆に「ウォーター」は語は合っているので、音だけ直せば通じます。この切り分けができていないと、努力の方向を間違えます。

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よくある質問

カタカナ英語はなぜ通じないのですか?

主な原因は3つです。①日本語は子音だけで音を作れないため母音を足してしまう(strike が5音節になる)②日本語は高低アクセント、英語は強弱アクセントで強く読む位置がずれる③日本語にない音(/θ/ /r/ /l/ /f/ /v/)を近い音で代用している。これらが重なって別の単語に聞こえます。

和製英語とカタカナ英語は同じものですか?

違います。カタカナ英語は「英語の単語だが発音がズレているもの」(ウイルス→ヴァイラス)、和製英語は「英語に存在しないか別の意味を持つもの」(マンション、コンセント)です。前者は発音を直せば通じますが、後者は語そのものを置き換える必要があります。

カタカナで覚えるとなぜ聞き取れないのですか?

耳は覚えた音を探すためです。「ウォーター」と覚えていれば耳は「ウォーター」を探しますが、実際に流れてくるのは「ワーラー」。音が一致しないため、知っている単語でも認識できません。語彙を増やしても解決しないのは、増やした語彙もカタカナで覚えているからです。

カタカナで書けない英語の音はありますか?

多数あります。/r/ と /l/ はどちらも「ラ」、/θ/ と /s/ はどちらも「ス」、/b/ と /v/ はどちらも「バ」になります。特に問題なのは母音で、英語の約20の母音に対しカタカナは5つしかありません。あいまい母音 /ə/ に至ってはカタカナに存在しないため、about を「アバウト」と書くしかなくなります。

ウイルスやアレルギーはなぜ英語と違うのですか?

英語ではなくドイツ語やラテン語から入った言葉だからです。ウイルス(virus)はラテン語読み、アレルギー(Allergie)とエネルギー(Energie)、ワクチン(Vakzin)はドイツ語由来です。医学・科学分野の用語にこのパターンが多く見られます。英語では順にヴァイラス、アラジー、エナジー、ヴァクシーンと発音します。

「マンション」はなぜ通じないのですか?

mansion という英単語は存在しますが、意味が「大邸宅」だからです。日本の集合住宅を指して mansion と言うと、豪邸に住んでいると誤解されます。正しくは apartment(賃貸)または condo(分譲)です。このように「英語に存在するが意味が違う」タイプは誤解を生みやすく、注意が必要です。

カタカナ英語を直すには何から始めればいいですか?

まず和製英語かどうかを切り分けてください。和製英語(マンション、コンセント)は語彙の問題なので、正しい英語に置き換えるだけです。発音のズレ(ウォーター、ゲットイット)は音の問題なので、実際の音を聞いて真似る練習が必要です。この2つは別の作業であり、混同すると努力の方向を間違えます。

日本語なまりは直したほうがいいですか?

完全になくす必要はありません。世界の英語話者の大半は非ネイティブで、なまりがあるのが普通です。重要なのは、通じるかどうかと、聞き取れるかどうかです。特に母音の数とアクセント位置は意味の区別に直結するため、ここだけは押さえておくと通じやすさが大きく変わります。

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  • 法則1

    D/G/P/Tが消える

    ネイティブ発音では、語尾の破裂音(D/G/P/T)はほぼ破裂しません。「Good → グッ」Dが消える、「big → ビッ」Gが消える、「stop → ストッ」Pが消える、「what → ワッ」Tが消える

  • 法則2

    Hが消える

    Hは弱い音なので、高確率で消えます「Him → イム」、「her → アー」、「his → イズ」、「he → イー」

  • 法則3

    NTはTが消えてNだけに

    N + T は、Tが消えてNだけが残ります。「Internet → イナネッツ」、「center → セナー」、「winter → ウィナー」

  • 法則4

    TがD/Lに

    Tは「ラ/ダ」行になる 「Water → ウォーラ/ダー」、「better → ベラ/ダー」、「city → シリ/ディー」

  • 法則5

    THがN/Dに変わる/消える

    「Th」はナ/ダ行に変わったり、消える 「that → ナ/ダット」、「them → エム」

  • 法則6

    連結

    同じ音が続いたり、子音と母音が続くと音が変わる was she 「ワシー」、「did you → ディジュー」、「as soon as → アスーナズ」

  • 法則7

    短縮

    複数の法則や例外がミックスされたもの 「want to → ワナ」、「got to → ガラ」、「going to → ガナ」、「trying to → トライナ」

  • 法則8

    to/of/withの変化

    「to」は「ダ」「ヌ」「ルゥ」に変化、ofはあいまい母音に、withもthが消えたり変化する 「lot of → ロロ」「with me → ウィッミー」

  • 法則9

    文法的には必要だが省略

    DoやAreなど、助動詞・主語は消えやすい 「are → 消える」、「do → 消える」、「has → 消える」

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