英会話でよく聞く matter という単語を、聞き取れないと感じたことはありませんか?
What’s the matter?、It doesn’t matter.、No matter what. など、matter は日常会話で非常によく使われる単語です。
しかし、ネイティブの会話では matter が「マター」ではなく、マーラー のように発音されることがあります。そのため、単語の意味を知っていても、実際の会話では別の音に感じやすくなります。
この記事では、matter の基本的な意味・使い方に加えて、ネイティブが実際にどう発音しているのか、What’s the matter? がなぜ聞き取りにくいのかを、省略発音・連結・フラップTの観点から解説します。
matterの基本的な意味と使い方
matter は、名詞としても動詞としても使われる重要単語です。
文脈によって「問題」「事柄」「物質」「重要である」など、意味が変わります。

名詞としてのmatter
名詞の matter は、「問題」「事柄」「物質」などを表します。
| 意味 | 英語表現 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 問題・事柄 | What’s the matter? | どうしたの? / 何が問題なの? |
| 重要事項 | an important matter | 重要な事柄 |
| 主題・内容 | subject matter | 主題・題材 |
| 物質 | organic matter | 有機物 |
日常会話で特によく出るのは、What’s the matter? です。
これは「どうしたの?」「何かあったの?」という意味で、相手を心配するときによく使います。
動詞としてのmatter
動詞の matter は、「重要である」「問題になる」という意味です。
- It doesn’t matter.
それは重要ではありません。 / 気にしなくていいです。 - Does it matter?
それは重要ですか? - Nothing matters anymore.
もう何も重要ではありません。 - Your opinion matters.
あなたの意見は大切です。
It doesn’t matter. は、文脈によって「どうでもいい」「気にしないで」「問題ないよ」のように訳せます。
少し冷たく聞こえる場面もあるため、やわらかく言いたい場合は Don’t worry about it. や It’s okay. を使うこともあります。
matterを含む頻出フレーズ
matter は単語単体よりも、フレーズで覚える方が実用的です。
ここでは、日常会話でよく使われる matter の表現を整理します。
What’s the matter?:どうしたの?
What’s the matter? は、相手に何か問題がありそうなときに使う表現です。
- What’s the matter?
どうしたの? - What’s the matter with you?
どうしちゃったの? / 何を考えているの? - Is something the matter?
何か問題がありますか?
What’s the matter with you? は、言い方によっては「何やってるの?」「どうかしてるの?」のように責めるニュアンスになることがあります。
純粋に心配して聞くなら、What’s wrong? や Are you okay? の方がやわらかい場面もあります。
It doesn’t matter.:重要じゃない / 気にしなくていい
It doesn’t matter. は、「それは重要ではない」「問題ではない」という意味です。
- It doesn’t matter.
それは重要じゃないよ。 / 気にしなくていいよ。 - It doesn’t really matter.
それはあまり重要ではありません。 - It doesn’t matter to me.
私にとっては重要ではありません。
ただし、相手の話に対して It doesn’t matter. とだけ言うと、文脈によっては「どうでもいい」と冷たく聞こえることがあります。
やわらかく言うなら、Either is fine.、I’m okay with either.、Don’t worry about it. なども使えます。
No matter what:何があっても
No matter what は、「何があっても」「どんなことがあっても」という意味です。
- I’ll support you no matter what.
何があってもあなたを応援します。 - No matter what happens, don’t give up.
何が起きても、諦めないで。 - We’ll be there no matter what.
何があっても私たちはそこに行きます。
強い決意や、相手への支えを伝えるときによく使われる表現です。
as a matter of fact:実は / 実際のところ
as a matter of fact は、「実は」「実際のところ」という意味です。
- As a matter of fact, I know him.
実は、彼のことを知っています。 - As a matter of fact, I was there.
実際のところ、私はそこにいました。
会話では少し説明的・フォーマルに聞こえることもあります。
カジュアルには Actually や In fact がよく使われます。
matterはネイティブ発音でどう変化する?
matter を聞き取るには、意味だけでなく、ネイティブ発音での音の変化を知ることが重要です。
特に重要なのが、アメリカ英語でよく起こる フラップT です。

matterは「マター」ではなく「マーラー」のようになる
matter は、カタカナでは「マター」と覚えがちです。
しかし、アメリカ英語では母音に挟まれたTがフラップTになり、DやLに近い音で発音されることがあります。
そのため、matter は マーラー のように聞こえることがあります。
| 単語 | 教科書的な発音の目安 | ネイティブ発音の目安 | リアルガチ9法則 |
|---|---|---|---|
| matter | マター | マーラー | 法則4:TがD/Lに変化 |
| better | ベター | ベラー | 法則4:TがD/Lに変化 |
| letter | レター | レラー | 法則4:TがD/Lに変化 |
| water | ウォーター | ウォーラー | 法則4:TがD/Lに変化 |
ここで大切なのは、ネイティブが「マター」と毎回はっきり発音しているわけではないということです。
リスニングでは、matter = マター だけでなく、matter = マーラー のような音も想定しておく必要があります。
What’s the matter? は「ワッツザマター」ではなく「ワッツダマーラー」に近い
What’s the matter? は、文字で見ると簡単です。
しかし、会話では the の有声THがD寄りになり、matter のTがフラップTになるため、ワッツダマーラー に近く聞こえることがあります。
- What’s the matter? → ワッツダマーラー?
- What’s the matter with you? → ワッツダマーラーウィッユー?
- Is something the matter? → イズサムスィンダマーラー?
the のTHは有声THです。
リアルガチリスニングでは、有声THがN/Dに変化・消えるパターンを 法則5 として整理しています。
It doesn’t matter は「イッダズンマーラー」のようになる
It doesn’t matter. では、複数の音の変化が起こります。
- It の語尾Tを発音しない、またはほとんど発音しない
- doesn’t の語尾Tを発音しない
- matter のTがD/L寄りに変化する
そのため、It doesn’t matter. は イッダズンマーラー のように聞こえることがあります。
- It doesn’t matter. → イッダズンマーラー
- It really doesn’t matter. → イッリリーダズンマーラー
- It doesn’t matter to me. → イッダズンマーラーダミー
「イット・ダズント・マター」と待っていると、実際の会話の音と一致しにくくなります。
No matter what は「ノーマーラーワッ」のようになる
No matter what では、matter のTがD/L寄りに変化し、what の語尾Tが発音されない、またはほとんど発音されないことがあります。
- No matter what. → ノーマーラーワッ
- No matter what happens. → ノーマーラーワッハプンズ
- I’ll be there no matter what. → アォビーゼア ノーマーラーワッ
what の語尾Tは、リアルガチリスニングの 法則1:D/G/P/Tが消える に当てはまります。
matterを含む頻出フレーズとネイティブ発音
matter はフレーズ単位で覚えると、リスニングで認識しやすくなります。
| 英語表現 | 意味 | ネイティブ発音の目安 | 音のポイント |
|---|---|---|---|
| What’s the matter? | どうしたの? | ワッツダマーラー | the がD寄り、matterのTがD/Lに変化 |
| It doesn’t matter. | 気にしなくていい / 重要ではない | イッダズンマーラー | it / doesn’t のTを発音せず、matterのTがD/Lに変化 |
| No matter what. | 何があっても | ノーマーラーワッ | matterのTがD/Lに変化、whatのTを発音しない |
| What’s the matter with you? | どうしたの? / どうしちゃったの? | ワッツダマーラーウィッユー | with のthが弱化し、you とつながる |
| As a matter of fact | 実は / 実際のところ | アザマーラロヴファクッ | as a、matter of がつながり、factのTを発音しない |
| It matters to me. | 私にとって重要です | イッマーラーズダミー | itのTを発音せず、toが弱化 |
カタカナは完全な発音ではなく、音の変化を理解するための目安です。
重要なのは、matter を単語単体で「マター」と覚えるのではなく、フレーズの中でどう発音されるかまで確認することです。
matterが聞き取れない理由
多くの日本人学習者が matter を聞き取れない理由は、単語が難しいからではありません。
学校英語で覚えた音と、ネイティブが実際に発音している音に差があるからです。

理由1:matterを「マター」だけで覚えている
辞書的な発音を知ることは大切です。
しかし、会話では matter のTがフラップTになり、マーラー に近くなることがあります。
そのため、「マター」とだけ待っていると、実際の マーラー という音を認識しにくくなります。
理由2:the matter の the がD寄りになる
What’s the matter? の the は、有声THです。
会話では有声THがD寄りに変化し、the matter が ダマーラー のように聞こえることがあります。
その結果、What’s the matter? が ワッツダマーラー のような音のかたまりになります。
理由3:it / doesn’t / what の語尾Tを発音していない
matter を含むフレーズには、語尾Tを持つ単語がよく出てきます。
- It doesn’t matter.
- It doesn’t matter.
- No matter what.
これらの語尾Tは、ネイティブが実際には発音していない、またはほとんど発音していないことがあります。
そのため、文字で見た形と実際の音が大きくズレます。
リアルガチ式|matterを9法則で分解
matter を含むフレーズは、リアルガチリスニングの複数の法則が重なって聞き取りにくくなります。
| 英語表現 | ネイティブ発音の目安 | 発音していない音・つながる音 | リアルガチ9法則 |
|---|---|---|---|
| matter | マーラー | TがD/L寄りに変化する | 法則4:TがD/Lに変化 |
| What’s the matter? | ワッツダマーラー | the の有声THがD寄り、matterのTがD/Lに変化 | 法則5:有声THがN/Dに変化 / 法則4:TがD/Lに変化 |
| It doesn’t matter. | イッダズンマーラー | itとdoesn’tのTを発音しない、matterのTがD/Lに変化 | 法則1:Tが消える / 法則4:TがD/Lに変化 |
| No matter what. | ノーマーラーワッ | matterのTがD/Lに変化、whatのTを発音しない | 法則4:TがD/Lに変化 / 法則1:Tが消える |
| As a matter of fact | アザマーラロヴファクッ | as a、matter of が連結し、factのTを発音しない | 法則6:連結 / 法則1:Tが消える |
| It matters to me. | イッマーラーズダミー | itのTを発音せず、toが弱化する | 法則1:Tが消える / 法則8:toが弱化 |
このように、matter が聞き取れない原因は、matter だけにあるわけではありません。
前後の the、it、doesn’t、what、of なども一緒に変化するため、フレーズ全体が別の音のかたまりになります。
matterのリスニング練習法
matter を聞き取れるようにするには、単語単体ではなく、頻出フレーズごとに練習するのが効果的です。
1. matter = マーラーの音に慣れる
まずは、matter と同じようにTがD/Lに変化する単語をまとめて練習しましょう。
- matter → マーラー
- water → ウォーラー
- better → ベラー
- letter → レラー
このパターンに慣れると、matter だけでなく、日常会話で頻出するフラップTの音を認識しやすくなります。
2. What’s the matter? を音のかたまりで覚える
What’s the matter? は、単語ごとに分けて聞くより、ワッツダマーラー という音のかたまりで覚える方が実践的です。
- What’s / the / matter? ではなく、What’s the matter? 全体で聞く
- the の有声THがD寄りになることを想定する
- matter のTがD/Lに変化することを想定する
3. doesn’t matter / no matter what をセットで練習する
matter は、決まったフレーズで出てくることが多い単語です。
以下のような形を丸ごと練習しましょう。
- It doesn’t matter. → イッダズンマーラー
- It really doesn’t matter. → イッリリーダズンマーラー
- No matter what. → ノーマーラーワッ
- I’ll be there no matter what. → アォビーゼア ノーマーラーワッ
フレーズ単位で覚えると、映画・海外ドラマ・YouTubeの会話でも認識しやすくなります。
よくある間違い
matterを毎回「マター」と待ち構える
matter は、アメリカ英語では マーラー のように発音されることがあります。
「マター」という音だけを想定していると、実際の会話で聞き逃しやすくなります。
What’s the matter? を直訳だけで覚える
What’s the matter? は「何が問題ですか?」と直訳できますが、日常会話では「どうしたの?」「何かあったの?」という意味で使われます。
相手を心配するときに使う表現として、場面ごと覚えることが大切です。
It doesn’t matter. をいつでも使ってしまう
It doesn’t matter. は便利ですが、文脈によっては「どうでもいい」と冷たく聞こえることがあります。
相手を気遣うなら、以下のような表現も使えます。
- Don’t worry about it.
気にしないで。 - It’s okay.
大丈夫だよ。 - Either is fine.
どちらでも大丈夫です。
the のTHをすべて同じように扱う
the のTHは有声THです。
think や thank のような無声THとは違います。
What’s the matter? の the は、会話ではD寄りに聞こえることがありますが、これは有声THの変化として整理すると理解しやすくなります。
英語が聞き取れない理由は「単語や文法の不足」より「省略発音を知らないこと」
英語リスニングがなかなか上達しない人に共通しているのが、「もっと単語を覚えれば聞き取れる」「文法をしっかりやれば理解できる」という思い込みです。
しかし実際は、water(ウォーター)、better(ベター)、going to(ゴウイング トゥー)——これらはすべて中学レベルの単語で、文法も難しくありません。
それでもネイティブが話すと理解できない。その理由は単語力でも文法力でもなく、ネイティブが発音していない音・つなげて発音している音のルールを知らないからです。
- water → ウォーラー(法則4:TがD/Lに変化)
- better → ベラー(法則4:TがD/Lに変化)
- going to → gonna(ガナ)(法則7:短縮)
- did you → ディジュー(法則6:連結)
こんなリスニングの悩みはありませんか?
- ネイティブの英語が速すぎて理解できない
- 簡単な単語なのに何を言っているか分からない
- TOEICや英検の点数は取れるのに会話が理解できない
- 海外ドラマや映画を字幕なしで観られない
- 留学・海外赴任が不安
- 英語耳を鍛えたいが何から始めればいいか分からない
このどれかに当てはまるなら、原因は能力ではなく「音のルールを知らないこと」です。
義務教育でインプットされた「教科書の音」と、ネイティブが実際に話す「会話の音」が違うため、いくらリスニング練習を重ねても理解できる耳にはなりません。
逆に、ルールを知れば同じフレーズに次に出会ったとき、音の正体をつかめる可能性が高くなります。
リアルガチリスニングの省略発音9つの法則
ネイティブの発音が崩れているわけではありません。明確なパターン(法則)があります。
リアルガチリスニングでは、ネイティブ音声を徹底的に分析し、音の変化を9つの法則に体系化しました。
| 法則 | 内容 | 代表例 |
|---|---|---|
| 法則1 | D・G・P・Tが消える | good → グッ / big → ビッ / stop → ストッ / what → ワッ |
| 法則2 | Hが消える | him → イム / her → アー / his → イズ |
| 法則3 | NTのTが消えてNだけに | internet → イナネッ / center → セナー / winter → ウィナー |
| 法則4 | TがD/Lに変化(フラップT) | water → ウォーラー / better → ベラー / city → シリー |
| 法則5 | 有声THがN/Dに変化・消える | that → ナッ / them → エム |
| 法則6 | 連結(リンキング) | was she → ワシー / did you → ディジュー / as soon as → アスーナズ |
| 法則7 | 短縮 | want to → ワナ / going to → ガナ / got to → ガラ / trying to → トライナ |
| 法則8 | to・of・withが弱化 | to → ダ・ヌ・ルゥ / lot of → ロロ / with me → ウィッミー |
| 法則9 | 文法語が省略される | are・do・has などが消えることがある |
この9つの法則を知るだけで、今まで「速すぎて理解できない」と感じていた英語が、意味をもって認識できるようになります。才能でも耳の良さでもなく、知識と訓練の問題です。
映画・海外ドラマ・YouTubeのネイティブ動画・ビジネスの英語会議——リアルガチリスニングは、こうした場面で実際に使われる300以上の省略発音パターンを、9つの法則に沿って体系的に学べる教材です。
→ ネイティブ英語の省略発音9法則を体系的に学ぶ|リアルガチリスニング
よくある質問
matterの意味は何ですか?
matter は名詞では「問題」「事柄」「物質」、動詞では「重要である」「問題になる」という意味です。日常会話では What’s the matter?「どうしたの?」や It doesn’t matter.「気にしなくていい / 重要ではない」の形でよく使われます。
matterの発音が「マーラー」のようになるのはなぜですか?
アメリカ英語では、母音に挟まれたTがフラップTになり、DやLに近い音で発音されることがあります。そのため matter は「マター」ではなく、マーラー のように聞こえることがあります。これはリアルガチリスニングの法則4「TがD/Lに変化」に当てはまります。
What’s the matter? はどういう意味ですか?
What’s the matter? は「どうしたの?」「何かあったの?」という意味です。相手が困っている、悲しそう、体調が悪そうなときなどに使います。ネイティブ発音では ワッツダマーラー のように聞こえることがあります。
It doesn’t matter. はどんな意味ですか?
It doesn’t matter. は「それは重要ではない」「気にしなくていい」「問題ない」という意味です。ただし、言い方や文脈によっては「どうでもいい」と冷たく聞こえることもあるため、相手を気遣う場面では Don’t worry about it. や It’s okay. も使えます。
No matter what はどういう意味ですか?
No matter what は「何があっても」「どんなことがあっても」という意味です。I’ll support you no matter what. なら「何があってもあなたを応援します」という意味になります。発音では ノーマーラーワッ のように聞こえることがあります。
matterを聞き取るコツはありますか?
matter を「マター」だけでなく、マーラー のような音でも認識できるようにすることが大切です。また、What’s the matter?、It doesn’t matter.、No matter what. のように、フレーズ単位で音のかたまりとして練習すると聞き取りやすくなります。
matterとproblemの違いは何ですか?
problem は「問題」「困ったこと」という意味が強い単語です。一方、matter は「事柄」「問題」「重要性」など、より広い意味で使われます。What’s the matter? は「どうしたの?」という定番表現で、必ずしも大きな問題を指すわけではありません。
まとめ
matter は、名詞では「問題」「事柄」「物質」、動詞では「重要である」「問題になる」という意味を持つ重要単語です。
日常会話では、What’s the matter?、It doesn’t matter.、No matter what. などの形で非常によく使われます。
リスニングで重要なのは、matter を「マター」だけで覚えないことです。アメリカ英語では、TがD/Lに変化し、matter が マーラー のように聞こえることがあります。
また、What’s the matter? は ワッツダマーラー、It doesn’t matter. は イッダズンマーラー、No matter what. は ノーマーラーワッ のように、前後の単語も一緒に変化します。
意味だけでなく、ネイティブが実際に発音している音のかたまりまでセットで覚えることで、matter を含む会話表現が聞き取りやすくなります。

